こんばんは、コワーキング会計士です。
今日はちゃんと日本時間の投稿です。
さて、先週資金繰りの話で書き忘れたことを補足します。
今日のメッセージは、「値下げ要求を受けても黙って受け入れるのではなくて、資金繰りにプラスになるよう考えてみよう!!」です。
もういちど条件設定を示しておきます。
<条件設定>
以下のような損益となる製品を生産している会社を設定します。
売上:100(出荷後1ヵ月後に入金)
材料費:20(仕入後1ヵ月後に支払)
人件費:30(当月に支給)
経費:20(仕入後1ヵ月後に支払)
利益:30
製品は生産後1ヶ月在庫となりその後出荷される。
繰り返しになりますが、
このような会社では以下のような資金繰りになります。
1ヶ月目:マイナス30(人件費支払30)
2ヶ月目:マイナス70(材料費20、人件費30、経費20)←最初の月の材料費、経費の支払がこの月に発生します。
3ヶ月目:プラス30(売上入金100、材料費20、人件費30、経費20)←2ヶ月目に出荷した代金が入金されます。
したがって2ヶ月目に累計100のマイナスになりますので、最大100の資金調達が必要です。
そしてその資金が全て回収されるのは6ヶ月目になります。
ここで、得意先から10%の値引き要求を受けたとします。
何もせずただ黙って値引き要求を受け入れれば上記の3ヶ月目以降がプラス20になって、資金回収が遅くなるだけです。
もしここで値引きを受け入れる代わりに出荷した月に半分入金するようにしてもらう(*)と、
*当月払いは実務的には難しいかもしれませんが、ここでは話を単純化するためにそうしています。
1ヶ月目:マイナス30(人件費支払30)
2ヶ月目:マイナス25(売上入金45、材料費20、人件費30、経費20)←この月に出荷した代金の半分が入金されます。
3ヶ月目:プラス20(売上入金90、材料費20、人件費30、経費20)←2ヶ月目に出荷した代金の半分とこの月に出荷した代金の半分が入金されます。
どうでしょう?2ヶ月目に累計55のマイナスですみます。このマイナスも5ヶ月目で回収され、当初よりも短い期間ですんでいます。
値引きしたのに資金負担が軽くなるのは不思議ですよね。
得意先に支払条件を変更してもらうのは難しいとしても、すでに動いているビジネスであれば他の努力で同じような効果を得ることも可能です。
・請求書を確実にすぐ出す(それなり規模の会社でも請求漏れが放置されていることが結構あります)
・在庫を抱えないようにする=可能であれば受注してから作るようにする など