PAXリレーブログです。今日は堀江が担当です。

私の仕事は布の印刷をしています。本社と工場は愛知県にあり、一人で東京営業所として活動していて、勝手に”東京ノマド営業所”を名乗っています。月に1週間は愛知本社工場で現場や取引メーカーさんと打ち合わせをしており、のこり3週間は東京でお客さんのところを営業しつつ、PAXを中心に近いコワーキングスペースで見積もりしたり提案書作ったりしています。出張した先でもコワーキングスペースを利用しています。

今コワーキングしている人の中では製造業が少なくて、これからもっと地方の製造業がコワーキングしてくれて、情報交換やコラボレーションをしていきたいなと思っています。

普段の営業活動の拠点としてコワーキングスペースを使って、地方製造業でもコワーキングするメリットを感じつつあるなかで、ちょうど先日facebookやtwitterでも話題になっていた食品スーパーのソーシャルシフトの記事がのっていたので、自分なりに製造業としてこれからどうソーシャル活用していくかを考えて行きたいと思います。

<参考記事>

ソーシャルメディアで経営改革 老舗食品スーパーの決断  :日本経済新聞
ソーシャルメディアを活用して経営改革をおこなった老舗食品スーパーの事例。広がるソーシャルシフト 日本経済新聞社
<参考書籍>

ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと

ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと

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斉藤 徹
日本経済新聞出版社
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自分の会社も含め、地方の製造業にはまだまだホームページもなければ、メールアドレスも個人のアドレスを使っているところが圧倒的に多いです。
特にサプライチェーンの末端に行けば行くほどその傾向は顕著で、うちの会社も私が入社する二年前まではホームページも有りませんでした。アドレスをとりホームページを作る。それだけでも作っていないところがほとんどです。

実際に自分の会社でも最初簡単につくって更新するつもりが、日々の仕事の中で忙殺されてなかなか更新することができません。(自戒の意味も込めています)

うちの会社でも、部材屋さん、縫製屋さん、生地屋さんなどなど、本当に仕事も早くて、丁寧で現場に神様のいる素晴らしい会社は一杯あるのに、その良さはおそらくWEBをどんなに探しても、情報はでてきません。

インターネットってすごい

なにを今更と思うでしょうが、ただ使って便利というのではなく、自社で活用するとどんな効果があるか気付く事はとても難しいことです。

東京でコワーキングスペースに出入りすると、WEB制作をしている人が多く、SEOやSEMの専門家もいます。その人達の話しを聞くだけで、インターネットの凄さやその市場がもつポテンシャルをリアルに知ることが出き自社で活用するヒントなどを貰える場合もあります。

ここ数年でも、世の中にはtwitterやfacebookページなど、ソーシャルメディアを使った新しい販促手法もどんどん出てきます。そんな時にコワーキングスペースに出入りしていると、自分が意識しないうちにまわりの人と情報交換するなかで自然とfacebookページを作ったり、会社のtwitterをはじめたりソーシャルメディアの流れに取り残されないようになっていきました。

今回の食品スーパーの記事でも、経営陣がソーシャルメディアの有効性に気付くのに時間がかかったとあります。東京から離れた土地で経営をしていると、WEBについての体感速度はかなりずれていってしまいます。カスミさんほどの規模の大きい会社であっても、あっという間に取り残されてしまうことも多いので、小さい会社であればその格差はさらに大きくなって、浦島太郎状態に陥ってしまいます。

コラボレーションの気配を感じとる

いろいろな人とあう中で、自分の仕事を短い時間で説明する事が増えるので、初めてあう人に会社の業務内容を魅力的に分かりやすく伝えるようになるので、初対面の人向けの”エレベーターピッチ”が鍛えられ、初めての人への自社紹介がうまくなっていきます。

そして、説明したあとで、自分では普通にしている印刷(染色)の仕事について、第三者目線からの感想を聞くことが出来ます。
自分の仕事が他業種の人からみとてもすごく新鮮にうつり、いろいろなアイデアの種をもらうことも多くあります。こういう所から、もしかすると将来的に、既存事業に付加価値としてプラスした新しい事業の柱が出てくる可能性は大いにあると感じています。

ソーシャルシフトの書籍5章にも”コラボレイティブバリューチェーン”として紹介されているような、コラボレーションも生まれやすい良質な場所だと思っています。

身近な専門家集団

これについては、コワーキングスペースが、”もらう”だけでなく、”提供する”ことも大切で、決して「よろず相談所」ではないという事が前提です。

効果的なアドバイスをもらうのに、その道のプロフェッショナルを呼んでアドバイスをもらう場合、表向きなコストが発生しないとしても、確実に相手の時間を拘束しあうためのコストはかかっています。

日常の仕事の中で起こる、揉め事や悩みなど、実は本当に少しの雑談レベルのアドバイスだけで、解決したりすごくいい結果が生まれることがほとんどです。なにか相談したり、話を聞いて欲しい時、まわりのメンバーに助けてもらうことがとても多くあります。

実際にホームページについてのコンセプト出しについてアドバイスを聞いたり、会社の数字についてのアドバイスをしてもらったり、コワーキングスペースにいるから教えてもらえるアドバンテージはかなりあると思っています。

10年後20年後の製造業を考える

これだけ急激にWEBが発達して、どんどんソーシャルメディアも出てくる事は決して不利なことではなく、全ての製造業にとってはチャンスだと思っています。

ただ今までのように、自社技術で嘘をつかずに、顧客接点で仕事さえしていれば、おいしい仕事が勝手にくるような甘い世界ではなくなってきています。

これからは、嘘をつかず丁寧に仕事をしていることをきちんと伝える会社だけが生き残っていくのだろうと思っています。

そのためにも、製造業の会社も一人だけでもいいので、コワーキングスペースで仕事をしてみると、メリットがすごく有ることに気づいてもらえると思います。

個人的に面白くて注目している製造業がらみのサイトをちょっとだけ

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