PAX Coworkingノマドワーカーの鷲巣です。

さて、僕は先日参加したチャレンジ富士五湖ウルトラマラソン(112キロ)のことについて書きますね。前回に引き続き、Coworkingの話でなくてスミマセン。ご興味がある方はお付き合いください。

実は僕にとってはウルトラマラソンは2回目。前回は昨年の10月、高知県・四万十川で開催された100キロマラソンに参加し、11時間13分で完走をしたという経験があります。あの時もギリギリの状況で最後の力を振り絞り、文字通り倒れこむようにゴールしたわけですが、そういった極限状況を克服した時の達成感というものは何物にも代えがたい感動がありまして、今年はそれを上回る更なる極限状態に挑戦して、またあの達成感を味わいたいと思い、富士五湖112キロマラソンに挑戦をしようと思ったわけです。

準備としては1月から3月までの3ヶ月間、月間300キロ走りこむこと。前回の四万十ウルトラマラソンを走る際に、経験者の方から頂いたアドバイスです。「3ヶ月間300キロ走れれば、100キロは完走できる。後は体調管理・・・」ということでした。それにならって、新年会やらバレンタインデーやら(あまり関係なかったけど)送別会がある中でも月間300キロを走りきることを自分へのノルマとしてきたわけです。まあ3月は299.9キロという詰めの甘さを残して終了。ま、これも美味しいネタということで。

4月に入って調整時期に入ったのですが、そこでアクシデント発生!学生時代から疲労がたまると腰にくるのですが、練習量がちょっと多かったか、レース1週間前に腰に「ピキッ」といういや~な感覚が。その後の一週間は鍼・灸・マッサージ・ファイテン・キネシオテーピング・コックリさん(嘘)を片っ端から試し、なんとか走れる状態に戻すよう全力を尽くしました。ここで出走中止なんて悔いが残ってしまう。

いよいよレース当日。腰の調子は万全ではなかったものの、直前の努力が功を奏したか、なんとか走れる状態にはなったようで。でも112キロはとてつもなく長い。完走できるかどうかは全く分からず不安ではあったけれども、覚悟を決めるために自分に2つの約束をしました。

一つは、もう駄目だと思ってから10キロは走ろう、ということ。そしてもう一つは、制限時間が来て関門で引っ掛かるまでコース上にはいよう、ということ。これだけ達成できたら112キロ走れなくても良しとしよう、と。

レース当日の朝4時半。スペシャルゲストのはるな愛の完全に男の声と化したカウントダウンとスタートの合図で、長い長い旅路が始まりました。早朝まだ暗い状態にもかかわらず、多くの方から「行ってらっしゃい!」の声に送られ、富士五湖へと足を進めます。

 

序盤は快調。腰の異変を感じる前に目標として設定していた「112キロ12時間以内」というペースに沿ったキロ6分15秒のペースを維持しながら50キロ通過。ここから急こう配の上り坂が延々と続きます。仲間の応援でパワーをもらいながら、なんとか前へ前へ。

 

69.8キロ地点。7時間30分かかって、最大のエイドステーションに到着。ここで着替えを受け取り、気分一新で後半戦へ・・・と行きたいところですが、全く身体が言うことを聞かない。一度足を止めてしまったためか、再び動かそうとしても何とも動かない状態へ。このままリタイアしてしまおうかと思いましたが、自分に課した約束=もう駄目だと思ってから10キロは走りきることを思い出して、グダグダなまま再スタートへ。

ここで僕らのチームの監督が待ち構えていてくれました。「ワッシー、これからがウルトラ(マラソン)やで!!」

そうなんです。ウルトラマラソンって、実は真骨頂は60キロ以降なんですよね。それまでは前菜のようなもので。去年四万十ウルトラマラソンを走った時、そのことを実感したのに、今回は目の前のしんどさに負けそうになっている。

監督に応えるというよりは自分に言い聞かせるように、「ここからがウルトラマラソン!行ってきます!」と元気を振り絞って再スタート。ここから42キロ走りきればゴールです。まあ、その42キロが果てしなく長いわけですが・・・

天気予報の通り、午後から雨が降ってきて、コンディションはますます厳しい状態に。足も思ったようには動かない。でも一歩一歩足を進めます。1キロがこれまでとは打って変わって長く感じる。ひたすら我慢して雨の本栖湖、西湖、河口湖を走ります。

 

いよいよ100キロ突破。あと12キロというところで、挑戦者の気力を試すかの如く、長く続く上り坂が目の前に現れます。残念ながら走り続けることができず、ちょっと走ってはちょっと歩き、その繰り返しで前に進みます。「頑張るというのは、もう駄目だと思った時が始まり」「しんどいのは気のせいだ」そんな言葉を自分に投げかけながら、半ば催眠状態で前へ前へ。

距離表示が残り何キロと変わってくる。もう完走は現実的なものとして見え始めている。最後の力を振り絞ってゴールに向かいます。沿道の人の「おかえりなさい!」という声に、できる限り笑いかけながら手を振り、ゴールである競技場に駆け込みます。

ついにゴール!!記録は13時間22分と、目標タイムよりは1時間以上も遅れての結果となりましたが、でもまずこの状態で完走できたことに大きな満足感を覚えます。待っていたチームの仲間の元に駆け寄ると、思わず涙が・・・ぎりぎりの極限的な目標を成し遂げたという達成感と、沿道で応援してくれたみんなへの感謝の気持ちがごっちゃになった涙です。こんな感動もなかなか日常では感じることができないですね。本当に感動しました。

僕の富士五湖ウルトラマラソン112キロは無事完走、という結果で幕を閉じましたが、今回も人生における大きな教訓を得ることができました。

まずは、どんなに無茶に思える目標であっても、そこに向けて着実に努力を積み重ねていけば達成することは不可能ではないということ。逆に一足とびに目標は達成などできない、ということ。これは人生全般について言えることだと思います。

それからもう一つは、仲間の声援や応援というものは、人の潜在意識を大いに鼓舞するということ。112キロの過程において、所属チームのメンバーやボランティアの人たちからずっと応援してもらっていましたが、そのたびにパワーをもらいました。これがなかったら絶対途中でやめてましたね、いや本当に。今回は応援される立場でしたが、今度は応援する立場に回りたいです。ランでも仕事でも、これも人生全般に言えることかな?

ウルトラマラソン、またどこかの機会に挑戦してみたいですね。極限状態を乗り越えた先にある感動を求めに。