先週は「インタビュー」をテーマにした本を紹介したので、今週は純粋に「本を読む技術」を書いた本を紹介しよう。こう書くと「漢字の読み方や言葉の意味が分からない単語はあっても、日本語の本を読むことは全然問題ないよ」って答えが聞こえてきそうですが、何事も棚卸しというか見直し、振り返りは大事なプロセスです。一緒に「読む」という行為が如何に大事で難しいかを見つめ直してみませんか(ちなみに「空気を読む」ではありませんので)。

今週もBookbiz Wednesday担当の大塚が案内します。

“カリスマ編集者の「読む技術」 (新書y)” (川辺 秀美)

 

■「読む」ということは

まずは本書の中で気になった部分を紹介しながら雰囲気を掴んでもらいましょう。

本を読むことは、大変難しく高度な技術である。

このことが全体のテーマなんだけど、『文章』や『文脈』と置き換えた方が分かりやすいかも知れない。

文書情報を「事実(ファクト)」と「意見(オピニオン)」に分ける。受け皿となる「自分軸」というものがない限り、その溜め込んだ情報は永遠に無駄になります。

文章の読み方なんだけど、方法論だけではなく、「自分軸」を構築するのためには経験が必要、というのは最近痛切に感じますね。

 

著者の考え方が非常によくまとまっている部分を抜きだしてみると、

自分の思考を整理する→習慣化する→行動する

自分の思考を整理する

自分の好き・嫌いを整理したり、自分軸を設定したり、何のための情報を取るのかを決めたり、何を中心に読むのかを徹底的に問うこと。

習慣化する

日常の中にいかに読書の時間を組み込み、それを持続させていくのかといったことの工夫

行動する

読む当初からアウトプットを前提に読書をし、それを日常に適用してみること

如何でしょうか?単に「楽しむ」や「知識を得る」以上に本を読む姿勢が変わってきませんか?

今回は特別にどれぐらいこの本がおすすめなのかをビジュアルでお見せしましょう。僕は極細の半透明付箋を持ちながら本を読んでいます。気になる部分にぶつかるとその付箋を該当する「行」に貼ります。この付箋の幅がちょうどいいんですよ。で、今回の本はこんな状態です。

■本を選ぶのではなく、本に選ばれる

この本の中盤に面白い表現が出てきます。少しその前段を話すと、毎月10冊ずつ読むことを2年間続けると新しい力が身につく、とのこと。出版社名や著者名に流されず、書店で「本に選ばれている」感覚になる、と。

これは僕も同感です。ここ数年、年間200冊ぐらい読んでいますが、時々大きな書店で普段は寄らない棚の前だけを何度も往復します。そうすると、背表紙だけでも光って見えたり、他の本と違って見える一冊があったりします。そんな時には中身を見ずにそのまま買って帰るようにします。すると不思議なことに、その後に必要な内容がそこには書かれていたり、新しい考え方のきっかけになったりします。無意識のフックを引っかけてくれるような感覚です。

■最後に

今もこれはできていないのですが、無意識ではなく意識しながら文章を書くためにも必要なポイントなので著者の言葉を引用したいと思います。

文章はわかりやすいほうが良い」という幻想がありますが、わかりやすいから良いのではなく、「わかりやすく正確にまとめているのが良い」のです。