こんばんは、paxの幽霊部員、ハルです。
私はフリーランスの映像編集者(Video Content Editor)です。
現在は新作iPhoneアプリのプロモーション映像に携わっています。
2011年の11月にコワーキングというものに出会い早三ヶ月。
さっそくですが、
現時点で感じるコワーキングに関する感想を3つ上げてみます。
主に同業者向けですが、初心者の視点で書いておりますので、
コワーキングを始めようとする方の参考になれば幸いです。
1. コワーキングスペースにはIT業種に携わる方が多数
経堂、渋谷、新宿など都内各地に点在するコワーキングスペースでは、
「これまでにない新しいサービスを作ろう」としているグループを良く見かけました。
それはiPhoneアプリやwebサービス、またはイベントの開催や、品物の流通経路を開拓しよう、といったものです。
映像技術者、例えばカメラマン・エディター・ミキサーの様な方がコワーキングする場合、同業者が少ない事を踏まえて、上記の方々と接する、というようなイメージを持つと目標を定めやすいと思います。
現状、映像制作を目的とする場合はコワーキングスペースで仲間を見つけるよりは
個人的にコンタクトを取ってチーム編成する方が早いでしょう。
しかし、人脈を開拓し未知の分野で物を作ろうとするのであれば、コワーキングスペースは最適な場所です。
同じ部屋にいるだけの人たち、しかしいつ仕事仲間になるかもしれない不思議なスペース。刺激のある場所、ここに根気よく通う意味は充分にあります。
私自身、iPhoneアプリの開発者の方々と直接仕事をするとは思ってもいませんでしたから。
コワーキングがもっと注目されれば、
いずれ映像分野に存在する多くのフリーランスにも認識が高まります。
状況は次第に変わっていくかもしれません。
2. 相手の分野への理解度が重要
自らが身を置く業界で、自分の職業をプレゼンする事はほとんどありません。
あったとしても「いつもはどんな仕事をしているのか」「機材は何が使えるのか」そういったシンプルな質疑応答が基本です。
コワーキングではお互いの性格や業種について、日々を通して理解を深めて行くことがとても重要だと感じます。例えば、好きな映画や音楽の話。たまたま誰かの頭に残った言葉で、思わぬコラボレーションを生む事があります。
また、相手が普段から対象としているクライアントについて尋ねてみると、意外に新鮮で面白いのです。プロジェクトのワークフローを想定する事も出来ますし、相手の視点に近づく事が可能です。
相手と顔を合わせ、スペースに通い、コーヒーを飲みながら雑談し、多くのコミュニケーションを取る。もはや「取ったもの勝ち」ではないかというくらい、全体のクオリティに関わってきます。
なんとも当たり前の事を書いてしまったのですが、
私にとって他業種の方とのコミュニケーションは、物事に対しての観点、領域が違うため思うより難しいのです。もちろん慣れていないせいでもありますが、しかしこれこそコワーキングの醍醐味の一つです。
3. コワーキングは砂場遊び
「”映像”を作って流そうと思うんだけど」という提案を受けたら、当然「じゃあどう作ろうか」という所から話し合いはスタートします。
驚かれると思いますが、私にとってここが第一関門でした。
業界では全体視野でモノ考える役割の人たちがいます。時々彼らから相談を受ける事はありますが、基本的にその人たちが構想やワークフローを固めてくるのが当前、私はそのポジションではなかったからです。
こうなるといつもの様に一技術者の視野では事足りません。映像全体に関するプロデュースやディレクションの要素が必要になります。
私は個人的に仲間を集め、映像制作をした事は数えるほどしかありませんでした。しかしここでコワーキングというシステムが威力を発揮します。
業界で凝り固まった頭を、話し合いをする中で、誰かがスッとほぐしてくれるのです。
「webカメラで収録してみる?」「ちょっとこれで試してみよう」とか「出演者のギャラはこのプレゼントにしよう!笑」とか。
「あ、そうか。」と。この会話は自分を「超高精細の映像システム」の空間から開放したある意味衝撃の一言でした。
このとき、子供に戻って公園の砂場で、みんなで泥だらけになって遊んでいる風景が浮かびました。
大人になってから砂場遊びのような自由な発想で「仕事」に向き合えるとは、さすがに驚きです。
どうでしょう。駆け足になりましたが、私が見てきたコワーキングの雰囲気に触れて頂けていたら幸いです。:)