前回のブログで宣言した「コワーカーのための簿記講座」、あっという間に1ヶ月が経ってしまいましたが、宣言した以上はやらせていただきます!!

ただあれから「なぜ簿記が必要なのか」「その最終目的は何なのか」を考えておりまして、それなりに整理がついたのが

事業を経営しているコワーカーの最終目的はきちんと利益を出すこと。利益を出すためには適切な意思決定を行い実行すること、適切な意思決定をするためには過去・現在を分析し未来を予測すること、そのための情報のひとつとしてお金の情報(会計情報)があり、意思決定、分析の力をつけるためには会計に関する基礎体力が必要で、それが簿記3級なのではないかということです。

この一連をシリーズ化して、「コワーカーのための会計リテラシー講座(基礎体力編)、(分析力編)、(意思決定力編)」にしようかなと。

そしてこのブログは1ヶ月に2回更新するので、それぞれ2ヶ月合計6ヶ月で会計に関して一通りの戦闘能力が習得できるというもの(1回のボリュームが多いときには更新の頻度を上げて対応します)。

さて、間髪置かずに基礎体力編を始めます。

まずはご用意いただきたいもの。

簿記のテキストは世の中沢山刊行されていますが、いろいろ見た限り前回のブログで紹介したものがいいのではないかという結論。理由は簡単、一番安いから。安いとはいってもきちんと内容はありますし、演習問題などもちゃんと入っています。

それから少しお断り。

今後このブログに記載する内容はあくまでも私個人の意見であって私が所属する組織の公式見解ではありません。また、しばしばあえて平易な言葉遣いをしますが、正式な専門用語ではないという突っ込みはご容赦ください。

先ほどのテキストの内容を何回かに分けてなるべく分かりやすく紹介していきます。
でも、早く基礎体力編を終えて、分析、意思決定編に進みたいので、ここだけは押さえてほしいというところを書きます。

第1章 簿記の意義としくみ

1.簿記の意義・目的

企業にも家計簿のようなものが必要です。特に企業は家計よりもはるかに多くの関係者がいて、取引関係も複雑ため、より高度な記録のしくみを整備する必要があります。これが簿記。簿記の目的は①企業の財産管理、②関係者に企業の経営成績、財政状態を明らかにするの2つ。

2.簿記に欠かせない重要な計算書

ストック情報:貸借対照表
フロー情報:損益計算書

3.貸借対照表

ある一時点の財政状態(何をいくら持っているのか)を示すもの。

「資産」、「負債」、「資本(純資産)」から構成され、資産-負債=資本と定義されます。

4.損益計算書

ある一定期間における経営成績(いくら儲かったのか)を示すもの。

「収益」、「費用」、「利益」から構成され、収益-費用=利益と定義されます。

5.貸借対照表と損益計算書の関係(ここ大事!!)

貸借対照表と損益計算書、それぞれ次元の違うものと思ったかもしれませんが、実は大変密接な関係があります。私も20年ほど前、これを知ったとき会計って面白いな!!と思いました。

貸借対照表の資本(純資産)に注目します。ある会計年度の年度初め(期首)の資本と年度末(期末)の資本、この増加(または減少)額は利益でもあります。だとすると期末資本=期首資本+利益となり、期末資本=資産-負債、利益=収益-費用ですから、

資産-負債=期首資本+収益-費用

これを整理すると

資産+費用=負債+期首資本+収益

となります。

これが第1章でもっとも重要なところです。

長くなってきたので、今回はこの辺で。