コワーキングスペースが誕生する原点となった出来事は、2006年のアメリカ、ニューヨークで起こりました。
オフィスでなく自分の家で働くことがお気に入りだった起業家のアミット・グプタさんとルーク・クロフォードさんは、一方で従来のオフィスにあった自然な情報共有や仲間意識が恋しくなりました。そこで、ふたりは友人たちに声をかけ「うちに集まって、みんなで(別々の)仕事をしようぜ!」と呼びかけたのです。
この試みが始まってからすぐに、参加した人々はその価値に気付きました。面白い発想を持った人に意見を聞けば自分の殻を容易に破るようなアドバイスが得られたし、初めて会った人とは話すだけでも新しい刺激をもらえました。それまではひとりで抱え込んでしまった小さな悩みや問題が、すぐそこにいる「仲間」の存在によってすぐに解決するようにもなりました。しかも、何度か同じ趣旨の集まりを催していくにつれ、方向性の合う人同士が集まって、新たなビジネス展開が生まれたのです。
こういった集まりは「Jelly」(ジェリー)と呼ばれるようになりました。命名の由来は、豆型をしたカラフルな砂糖菓子「ジェリー・ビーンズ」から来ています。このジェリー・ビーンズのように、色(職種)の違う人たちが集まることで、素晴らしい味の商品(空間)が生まれているということから名付けられました。