日本で初めてコワーキングについて書かれた書籍『つながりの仕事術 コワーキングをはじめよう』続編。同書のコワーキングのエッセンスについて書かれている第一章を再掲の上、主著者の佐谷恭が自らのコワーキング体験を語る。
世界50カ国以上を旅している著者が、株式会社旅と平和を設立して、「ありえない」と言われ続けた、世界初のパクチー料理専門店、東京初のコワーキングスペースPAX Coworkingをブームにするまでの過程を詳細に描いた。連日満員にするまでに、何を考えたのか?何をしたのか?どんな「つながり」を作っていったのか?さらに2018年3月、人気店を突如として閉鎖したそのわけは?「僕ははじめてのことしかやらない」と断言する著者の道なき道の歩き方。CAMPFIREでのクラウドファンディング成功企画。
目次
はじめに
第1章 パクチーハウス東京をやめてから、パクチーハウス東京を始めるまで
閉店までのカウントダウン /お店を閉じるのは大変だ /閉店したから北極点 へ行こう /メキシコを初訪問、中南米の風に触れた /無店舗展開なう /そし て、もっと遊びたい /職業意識のない学生時代。でもなぜか社会人になれた…… /仕事は楽しいものだった。仕事で楽しめる人生にしたい /富士山で退職を決意。タ イミングをずらすだけで幸せになれる /起業する同世代への憧れ /起業の準備 を始めたが「やりたいビジネス」がなかった /2回目の退職をして英国の大学院に /プロ野球球団買収 ライブドアという会社に衝撃、堀江貴文さんに衝撃 /妻 と行ったヘルシンキで感じた違和感 /「子供と一緒に成長する」ことを決めた。旅で 平和にするぞ
第2章 なぜパクチーで飲食業だったのか?
大学2回生のとき韓国へ。初の一人旅 /カンボジア出国の日「フレンド、また会おう」 と言われて /「マイフレンド」のために何ができるか? /飲み会の幹事は人より 多くやってきた /乾杯は絶対にやりたくないことだった /今は乾杯しかできな い。乾杯を仕事にできないか /ビジネス書を読み漁ったけれど…… /「パクチー 出せば、店は繁盛するよ!」 /飲食店の経験は皆無だったけど、パクチー屋を作るこ とに燃えた /起業当時に書いたブログを読み返してみた /知らないことを「ありえない」と断言する専門家たち /ついに「グリーンフィールド」を発見 /解体するお店を「改造」してできたパクチーハウス東京
第3章 パクチーハウス東京が始まった
「伝票なんか、いる?」 /飲食店経験者は雇わない /採用時に「学歴不問。学歴の ある人はその根拠を求めます」と書いた理由 /店舗を維持するのはこんなに難しいことなのか /直接営業が個人店繁盛への王道 /嬉しい誤算だった取材ラッシュ/取材を受けると起こる3つの悪いこと /「新規事業を作らなければ」と焦ってい た3年目 /飛ぶ鳥を落とす勢い? /業績が落ち始め、スタッフの気持ちが離れていく…… /即断即決、鳥獣gigaを半年で閉じることに /初めてリストラを断行、そして誰もいなくなる /「右肩上がり「」成長」という 世紀までの幻想
コラム 絶版新書 コワーキングとはなにか? (『つながりの仕事術』(洋泉社刊)より)
第4章 パクチーハウス東京が生まれ変わった
36歳の再スタート。2011年3月11日のこと /東日本大震災が起きた。神様が「やめろ」と言っているのか /3日分の予約をすべてキャンセル。パクチーハウスを用賀に移転 /1週間の仮営業を終え経堂に戻る。史上最高の追パクを記録 /お店は活気を取り戻したけれど、現金がない…… /少しでも多くの現金収入を。ワンオペランチを始めてみた /「いつ東北に来るんですか」。大学教授からもらった一通のメール /どんな理由でもいいから東北に通わなければならない/コワーキング三都 物語でわかったこと。どこも厳しい…… /マニアックな店が選ばれる時代がきた/「月3回は旅をしよう」/ペイできるに決まってる/「予約が取れない」連日満席のお店に /「同じ都市圏には出店しない、日本を分断してはならない」/パ クチーハウス東京の商圏は二万キロ。2店舗目は必要ない /「むやみな割引はしない」パクチーハウス東京のポストカード割 /「一つでも多くの断片を知ってほしい」。1日4時間かけて伝えた事業のこと
第5章 走るのが嫌いな僕が月間300キロを走るようになった理由
「マラソンなんか絶対にやりたくない」 /「朝ラン&ビールの会」のキッカケ /ラ ンで行動範囲と思考が広まる /酒飲んで走るメドックマラソン? 震災後8年連続 で出場 /メドックマラソンは走るパーティだった /一人でも多くの人をメドッ クに。パクチー・ランニング・クラブを結成 /タイム至上主義をすべてひっくり返し た「経堂マラソン」 /月間走行距離300キロを可能にしてくれたグローカル・シャ ルソン /息が切れないランニング / km走る南アフリカコムラッズマラソン/パクパクマラソンからのエクストリーム〝ファン〞ランニング /面白い人生を歩む人の「共通言語」 /「サハラマラソンの聖地」:パトリック・バウワー氏来パク /アスリートより稼ぐ。パクチー料理とランニングのコラボ /地球のてっぺんはパクに覆われている。北極マラソンで証明 /パクチーマン、アジアチャンピオンに /誰も知らないことを始める喜び
おわりに
まえがき
パクチー料理専門店を開くと言ったら「狂っている」と言われた。 パクチー料理専門店を閉じると言っても「狂っている」と言われた。
コワーキングも然り。シャルソンのときでさえ、 僕の構想に「世の中の制約」の話ばかりする人がいた。
すごく真剣に書いたSNSの投稿にはほとんど「いいね!」はつかない。 パクチー爆盛り情報には信じられないほど「いいね!」がつくようになった。
新しいものを始めるとき、順調なものを捨て去るとき、外から拒絶反応が起こる。 誰かにそれを命じているのではない、僕がやるだけなのに。
「もったいない」「ありえない」「慎重に」「考え直したほうがいい」 日本中で「人のために」踏まれているこのブレーキが、 日本をつまらなくしていると僕は思う。
最初は教習車で練習したほうがいいかもしれない。 教官が周りを見渡し、ブレーキを踏んでくれる。 でも、いつまでも赤ちゃんじゃない。子供でもない。
人にブレーキを踏まれるな、そして人のブレーキを踏むな。 僕は初めてのことしかやらない。起業して、人の追随やら経営理論の勉強もして、 成功も失敗もして、結論として決めたのがこのことだ。 誰でもできる状況になったら手放してもいい。全部あげるよ。 新しいことはいくらでも思いつくから。
この本で、僕は、ありえないことをブームに変えてきたいくつかの事例を書いた。 すべて最初に僕の決意がある。
それが実現する過程には、少数のフォロワーと好奇心にあふれる人たちと 既存が価値と思い込んでいる人たちがいる。
非常識をくつがえすのに、常識に固執する人は妨げになる。 そうでない人をつないでいくと、物事は一気に動き始める。
癒着でなく、つながり。それが人生と世界を豊かにする。
著者プロフィール
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