今週は少し趣向を変えて書いていきます。

毎週、Bookbiz Wednesday担当として本を紹介していますが、最近何人かの方に「どれぐらいのペースで本を読んでいるんですか?」と聞かれたこともあり、僕の読書スタイルについて紹介します。ということで、今週も大塚が書いています。

■リアルな本か電子書籍か

まず先の問いの答えをいうと、数年前から概ね年間200冊ぐらいのペースで読んでいます。好きな作家はいますが、決してジャンルに縛られることなく基本的には雑食だと思います。Amazonで買うだけではなく、気に入っている書店に足を運んで購入することもありますし、PAX Cowokingがある経堂の遠藤書店という古書店でも買います。Amazonとリアル書店では若干買い方が違っていて、Amazonは基本的に目的買い、リアル書店は「出会い」を大切にしています。

電子書籍はSONY ReaderとKindle PaperWhiteを持っているので、基本的にSONY Readerは小説中心、Kindle PWは論文調のビジネス書、という使い分けをしています。リアルの本と電子書籍の使い分けですが、単行本はリアルな本で文庫や新書は電子書籍を利用することが多い傾向にあります。これは本に対する考え方だと思いますが、単行本の場合は装幀も含めて作品であり、文庫は出版社による統一フォーマット上で展開されているため電子書籍にしています。

■本の読み方

読んでいる本の量を答えると、大体「いつ読んでいるんですか?」とセットで聞かれることが多いですね。僕の場合は移動時間と就寝前がほとんどで、時々帰りに読書のための寄り道をするぐらいです。実は電車での移動の中で読むには電子書籍は非常に向いていて、「軽く、混んでいても片手で読める」という点が一番優れていると思っています。機能として辞書を搭載しているなどがありますが、それ以上に片手で読み進められるメリット以上の利便性はないと思います。

読書のための寄り道の時に行く店もほぼ決まっていて、決してスタバなどには行きません。僕のお気に入りは「キリンシティ」。カウンターに座ってビールを飲みながら本を読む。多くても2杯で30分ぐらいでしょうか。チャージも掛からないので、これで1000円です。スタバの周りの音や声はすごく気になるけど、キリンシティのザワザワは全然気になりません。酔っているからじゃなくて、きっと照明の違いだと思います。未経験の方は是非一度チャレンジしてみてください。

■特別な本

最近『虚数の情緒―中学生からの全方位独学法』という本を買って、ベッドサイドに置き、寝る前に少しずつ読み進めています。


"虚数の情緒―中学生からの全方位独学法" (吉田 武)

ページ数はちょうど1000ページなので、とても持ち歩いて読む本ではありません。しかし、書かれている内容は本当に素晴らしく、タイトルから想像する算数/数学の領域だけではなく、教育全般、あるいは「学ぶこと」について明確な意思を持ってまとめられています。なにも読書はあわてて読む必要なんてないので、一日一テーマぐらいのペースで、読んだ後に反芻しながら自分の考えをまとめ、眠りにつくのは不思議なくらい気持ちがいいですよ。

それともう一つ。

僕が書いているBookbiz Wednesdayでは「小説以外の・・・」と最初に定義したので紹介することはありませんが、この本は過去に10冊ぐらい買っていると思います。


"流星たちの宴 (新潮文庫)" (白川 道)

僕の本棚に10冊並んでいる訳ではなく、この本が似合う人にプレゼントしてきたから結果的に累積で10冊ぐらいになってしまいました。僕が大好きな作家の一人でもあり、この本を読んでもらうことで伝えたかったことも共有できると思ってこんなことをしています。

これは僕の本に対するスタイルなので、皆さんは皆さんのスタイルが自然とできるぐらい読み進めてみてください。