ようやく暖かくなってきたなあ、と思うと突然寒い日になったり、いわゆる「三寒四温」の時期なのでしょうか。気温はともかく日射しの角度、明るさは確実に変化していて「春の近さ」を感じますね。一方で、さらに花粉が飛ぶようになるのは憂鬱なんですが….今週もBookbiz Wednesday担当の大塚から一冊の本を紹介させていただきます。

 


"情報は集めるな!" (指南役)

■情報の洪水に溺れないために

情報収集のためにRSSリーダにたくさんのフィードを登録している、あるいは気になるWebの記事はすぐにEvernoteにクリップする、思い当たる人はきっと多いと思います。この本はタイトル通り、その考え方に対して真っ向から対決します。考えてみれば、Facebookを立ち上げたり、Twitterを見れば友達やフォローしている数にもよるけど、TLは本当に流れるように情報洪水になっている。PAX Coworkingでもみんなブラウザや専用ツールでFacebookなりTwitterなりを立ち上げながら仕事をしている人が多い。ソーシャルメディアが主なのか、仕事が主なのか分からないぐらいの人もいます。さらに有料、無料を問わず、ニュースサイトやメルマガ、検索しながらのチェックするWebサイトとネット系のメディアだけでもなかりの量の情報があっという間に手に入る(それでも実際に接触できるのはほんの一部でしかない)。さらにTVをはじめとした放送系のメディアも通常の地上波に加えてBS、CSと選ぶのに困るぐらいチャンネルが用意されている(あなたがWOWOWやケーブルTVを契約していたら、その数はさらに上ですね)。だからこそその情報洪水の波に飲み込まれないようこの本が存在します。

特に気に入っている部分を引用させてもらうと、

「アイデアを生み出すために一番確実な方法は、面白い演劇を見たり、話題のレストランに行ったり、新進気鋭の研究者の話を聞いたり、とにかく多種多様な体験を積むこと。そうやって知識の量が増えれば増えるほど、アイデアが降臨する機会も増える。断言してもいいけど、何も見聞きしないでアイデアが閃くことは絶対にない」

うんうん、やっぱりどれだけ一次情報に触れて「経験」を蓄積できるかですよね。それからもう一つ。

つまるところ、情報収集で一番大切なことは、"興味を持つ"ことである。

興味さえ持てば、自然と情報は集まってくる。

そう「意識」することが重要で、漠然とWebサイトを見ていても時間の無駄にしかならない。だったら、居酒屋でビールを飲みながらでもビールに興味を持って、実際にビール工場に足を運ぶ方がよっぽどいい(PAXの佐谷さんはビール工場どころじゃなくて海外に行っちゃいそうだけど)。

■この本の魅力

本を読み慣れている人だったら1時間で読み切ることができます(ゆっくり反芻しながら読んでも2時間あれば十分でしょう)。僕は気になる部分に細長い付箋を貼りながら読み進めるんだけど、この本には10箇所以上に付箋を付けました。値段は1300円+税で1時間、これを高いと思うか安いと思うかはその人次第ですが、仕事をしている多くの人の時間単価はもっと高いと思います。1時間の横道を通ることで、その後の毎日の無駄な時間を削れるのであればROIの高い投資ではないでしょうか。

最後にTips的な引用で締めたいと思います。

限られた時間の中で充実した音楽ライフを満喫したいのなら、お目当てのミュージシャンの1stアルバムを聴くことである。

答えはこの本を読んで見つけてくださいね。