今週のWomen’s Saturdayは高橋尚子が担当です。

『PAX 女子会』の関連ネタが続きますが、今回はそのホームパーティで好評だった『料理』について書いてみます。

先日の女子会では「料理がおいしい!」とみんなとても喜んでくれました。私はよくホームパーティを開きますが、毎回とても好評です。でも謙遜でなく、自分がとびきり料理が上手かというとそこまでのレベルじゃないと思います。

でもなぜ、みんな絶賛してくれるのか?女子会で料理についての話をしていて「その理由」に気がつきました。人に話をすることで「思わぬ事に気がつく」事は、コワーキングもパーティーもホントに同じだと思います。

 

料理のコツは、実は仕事と共通していた

 
ホームパーティをやる際、私が最も力を入れるのは「料理のメニュー構成」です。これは一番好きな作業でもあります。複数の要素を加味しつつ、何を、どうやって、どのタイミングで、どれだけ出すか。そういうことを考えながらメニューを組み立てます。

それからコストも意識します。金額が高いなら外食すれば良いわけなので、「家で飲む」メリットが出せるところは極力出します。

私が思う『ホームパーティーメニューのコツ』を、ざっと挙げるとこうなります。

 
1)      料理のテーマやストーリーを決める
2)      みんなが普段、自宅では作らない・食べないメニューにし、
     外食(プロの料理)とも張り合わない。
3)      材料の選択や味付け、調理法は分散させる
4)      事前に仕込みができるもの、簡単にできて見栄えよく、おいしいものを選ぶ。
     パーティー時には自分もみんなと話せるように、仕上げが簡単なものにする。
5)      料理の量は、少なすぎず、多過ぎず
6)      コストもきちんと意識する

 

私の仕事はファッション業界の仕事です。バッグなどの服飾雑貨が専門で、職務は『MD』(マーチャンダイザー)です。「MD」(マーチャンダイジング)はファッション業界や小売業ではビジネスの基軸の概念なのですが、一般的に「MD」は全然知られていないようなので、軽く補足をしておきます。

MD(マーチャンダイジング)は「商品計画」や「商品政策」と訳されます。商品を売るために、「誰に」「いつ」「どういった商品を」「いくらで」「どのくらい」「どうやって」“売るか”を考え、実行する仕事です。そこには当然、売上や利益追求も含まれますし(MDの最優先事項です)、ブランドとしての「匂い」や「あり方」を先導していく責任もあります。

こういったMDの仕事を一言でいうと、やるべきことは『品揃え』です。私の場合MDとしての『品揃え』のノウハウが『パーティーメニューの構築力』になっているなと思います。

全体のバランスを考え、コストと手間も考えて、
「お客さん」が飽きないように、パーティーが盛り上がるように。

今回の女子会の場合、目的は「交流」と「ぶっちゃけトーク」なのですが、いくら「宅呑み」とは言えどパーティーですから「非日常感」も大切なので、ちょっと女子っぽく、おしゃれな感があるもので、かつ、しっかりとお酒がすすむメニューにしました。

 

パーティーメニューをこっそり公開

 
ご参考までに、先日の女子会メニューをひっそり公表してみましょう。

1 人参のピラピラサラダ / レモン&オリーブオイル仕立て

2 白インゲンと玉ねぎツナのサラダ / マヨネーズ風味

3 白菜とセリの白キムチ (山椒とお酢が効いた白いキムチ)

4 牡蠣のオイスターソースマリネ

5 豚ロース肉のゆで豚 / しょうゆ漬け

6 鮭とジャガイモのカマンベール焼き

7 牛肉とアサリの純豆腐チゲ風

8 鶏手羽中のエスニックスパイス揚げ

9 蛸と牛蒡の炊込みゴハン

 

食材は冬場に手に入れやすいものにしました。旬のものだと値段も安くておいしい上に、「冬」という品揃えのテーマがひとつ出来るからです。さらに誰もが好き嫌いのない食材を選び、味付けや料理法は分散させます。分散させると「いろいろなものが沢山ある!」という「充実感を訴求できます。また量は、足りなくても「ひもじい」し「物足りない」印象になりますし、多すぎても「やり過ぎ」感が出る上にコストも高くなってしまうので、ココにもとても気を配ります。

また今回はどんなお酒にも合うような品揃えにしましたが、もっときちんとテーマを決めるとメニューの幅も広がります。例えば出張や旅行で行った場所をテーマにするのも良いし、飲みたいお酒を軸にするのも楽しいです。なんであれ、テーマや主役を明確にして、それぞれの料理にストーリー性を持たせれば、全体感がぐっと上がります。ストーリー性とは一品一品が孤立しないよう、連動性や関連性を持たせる事です。

それから見栄えや色にまで気を配れれば、品揃えは完璧です。「お客さん」が何を求め、「どうなら嬉しいか」をイメージし、「等身大よりちょっと上」にまとめ上げれば、絶賛されるパーティーメニューの出来上がりです。

単品にはちょっとだけオリジナルの要素を入れて、新鮮さが加わるように。また商品の構築で全体感のイメージをを牽引すると、単品も実力以上にみえること。これらはファッションビジネスの手法のまんまなのですが、仕事のスキルが料理にも役に立つなんて嬉しいですよね。

新しい発見でした!