BOOK for Business:『明日からつかえるシンプル統計学』

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■はじめに

水曜日担当の大塚です。世の中にはたくさんの書評レビューサイトやブログが存在しますが、ここでは小説を除くビジネス書や専門書をビジネスの観点で紹介していこうと思っています。基本的には私が実際に読んで「おすすめ」できる本を紹介して、時々はPAX Cowrkingのメンバーのおすすめ、というような形式で進めていきたいと考えています。

“明日からつかえるシンプル統計学 ~身近な事例でするする身につく最低限の知識とコツ (現場の統計学)” (柏木 吉基)

■Excelを使って統計学を身につけよう

第1回目は私自身のブログでも紹介した技術評論社の『明日からつかえるシンプル統計学』を紹介します。おそらく多くの人(特に数学が苦手だった人)にとって「統計学」という言葉はそれだけで抵抗があるかも知れません。しかし、リアルなビジネスの場では日常的に統計の考え方が使われています。例えば、「客単(価)をもう少し上げたい」ということは「平均金額を上げたい」と同義です。ただし、「平均」という指標が意味あるものであればいいのですが、意外と「平均」が意味をなさないケースが多く存在します。

■美容室に「平均」は意味があるか

少し身近な例で説明してみます。ある美容室ではカットが4000円~、パーマが8000円~メニューが存在しているとします(分かりやすくするためにカラーなど別のメニューは置いておきます)。もしカットの施術を受けた人とパーマの施術を受けた人が同数だった場合、客単価(平均)は6000円になります。しかし、6000円というメニューが存在するわけではありません。もしその美容室の実態を把握するのであれば、全施術数とパーマ率(全体に対してパーマを施術した割合)で表現した方が分かりやすいでしょう。
どういうことかというと、「平均」が価値を出すケースは

  • 数値が連続していること
  • 全体が正規分布していること

が重要になります。美容室の売上をグラフ化するとではカットの価格帯の山とパーマの価格帯の山の両方が存在する形になり、正規分布とは言えないため「平均」が意味をなさないことになります。
『明日からつかえるシンプル統計学』ではまず「平均」では語られない部分を中央値や標準偏差、ヒストグラム、散布図という別の指標と合わせて見るアプローチを分かりやすく解説しています。それだけではなく、Excelを使って実際に計算する部分まで登場しますので、まさに「明日からつかえる・・・」になるわけです。

■さらに上を目指したい人は

このレベルは当然できますよ、という方にはちゃんとその先も用意されています。仮説を仮説で終わらせないためには数値による証明が必要です。それには各要素(変数)の相関を見ることが重要です。これも丁寧に解説されていて、さらに「販促キャンペーンの強化」という例を元に展開されているので話としても楽しく読み進められます。
さらに先のレベルも書かれていて回帰分析というちょっとした予測に使える部分まで踏み込んでいます。本書に書かれているのは単回帰分析ですが、回帰分析で何ができるかを知るには十分な内容になっています。しかも、Excelでここまでやりきります。

■こんな人におすすめ

ビジネスの中でもう少しロジカルな部分を加えたいと考えている方、Excelの使い方は卒業してもう一つ上のスキルを身につけたい方には本当におすすめの一冊に仕上がっています。この本は読むだけではなく、実際に自分の手でExcelを操作しながら実践していただくことをおすすめします。
今週はこの辺で。

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